食卓

2006年03月13日

部屋の中に、ソファ。思わず座ってみたくなる。
ヘッドフォンがある。つい、耳に当ててみる。

照明が暗転する。

なにか、潮騒のようなざわめき?しゃべり声。
ガスの火をつける音。
くつくつと鍋が煮えているような音。
家族の会話。叱りつけるような声。

やれ片付けなさいだの、醤油をとってきてだの。
あなたを取り囲むかのような家族の声。
やがてひときわはっきり、「いただきます」の唱和。

しばしの間、膳に取り分ける箸の音であったり、汁をすする音であったり。
合間に子供をしつける声。
「よくかんで食べなさい」とか、肘をつくな、とか。
子供の声で「おいしいね」またもう一人が「固い」とか。
カリコリと何かをかじるような音がする。
すするような音がする。

ここら辺で、なにかおかしいとあなたは気付く。
かじられているのは、ワタシの耳ではないか、
食べられているのは、ワタシではないか。
その合間にも、椀をひっくり返したような音、叱りつける声。

目玉をもらって良いかと、子供がねだる。
一個ずつだよと親に言われて、子供達は嬉しそうである。
ほら、ぽろぽろご飯粒が落ちてるよ!
全部残さないで食べなさい、などと叱責されている。

「ごちそうさまでした」の唱和が、食卓に響く


(食卓050128)

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