秘密の木陰
2004年07月06日

午後の用事をすませ、自宅に向かっている途中だった。もう、梅雨は明けたのだろうか、強烈な日差しである。やたらと暑い。スポーツスターで走っているのは楽しいのだが、ちょっとでも道が混雑してくると、とたんに嫌になる。せっかく時間もあるし、どこかで涼んでいこう。そう決めて、渋滞した国道から、脇道に入ってみた。
川沿いの道は、すぐに行き止まりになる。そこにバイクを停めて、歩いて土手に降りてみる。あたりは民家もなく、流れる水の音だけが響いている。水面に木陰が映る。足元の茂みから、水鳥が飛び立つ。涼しい風が、吹いている。
わたしは、驚いた。こんな場所があったのか。松本市内から、本当に5分と走っていない。それなのに、この静寂はどうだ。涼みに来るのに、良い場所を見つけた。そう思いながら、あたりを散策する。
近所の方だろうか、年配の男性と行き会う。やはり涼みに来ているのであろう。挨拶をして、少し話をする。この場所には、オコジョが棲んでいると言う。オコジョ。わたしはまだ見た事が無い。
「冬ならよくわかるだ。今は草が茂ってるでな」
そう話す男性は、この場所に愛着を感じているのであろう。オコジョが冬になると真っ白になる事や、川に棲んでいるヤマメのことなど、楽しそうに話しをする。オオタカもやってきて、魚を狙うのだ、と男性は言う。わたしは、ちょっとうらやましくなる。こんなに豊かな自然がある場所を、日常の中に持っているのだ。いまどき、希少生物の生育している場所は、本当に少なくなっている。この場所を大事にしてあげたいと、心に思った。
今回、この場所の所在地は、明言しないでおく。隠す程でも無いのだが、不特定多数に公言すると、弊害が生じる事もある。本当に残念な事に、人気の無い場所を狙って、ゴミの不法投棄をするような輩もいるのだ。また、そうでなくても多数の人間が訪れる事で、環境が変わってしまう事も考えられる。
あしからずご了承頂きたい。
(→オコジョ。かわいいです)
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