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渋滞にはまって

2004年07月02日

所用からの帰り、わたしは川沿いの道を走っていた。国道を迂回する、抜け道である。車も少なく、快適な一方通行だ。流れ行く川を右手に見ながら、ほどよく飛ばせる道である。


ところが、今日は違った。

うっかり帰宅ラッシュの時間に当たってしまったのだ。こうなると、この道は最悪である。一車線だけの、すり抜けも出来ない狭い道なのだ。脇道は無い。ずっと先の信号まで、延々と車が列になっている。右手の土手を降りればなんとか走れそうだが、どうせスタックするのがオチだろう(過去にも、河原でスタックして泣いた事があった)。どうにも、しようがない。


わたしは、あきらめた。たまには、渋滞もいいではないか。川の流れでも眺めながら、のんびり走ろう。せっかくバイクに乗っているのだ、おおらかな心を持たなくては。ゆったりと、行こう。


そんな決心も、5分後には揺らぎはじめていた。全然、進まないのだ。いったい、どういう事だ。信号が変わるたびに、少しずつ前進する。その度に一回一回ギアを入れて、ちょっと走っては、またニュートラルを出す。しかも、ミッションの入りが固いときている。ニュートラルが出にくく、ガッツンガッツンと、神経に障る感触である。


梅雨の中休みなのだろう、夕方とはいえ、昼間の熱気が残っている。その上、両足の間で、エンジンは呑気に脈動している。けととん、けととん。熱い。シリンダーから熱が放射されているのを、まざまざと実感する。熱い。前後の車は、クーラーで涼しげである。こっちは、股間に火鉢を抱え込んでいるようなものだ。本当に熱い。


あ、ちょっとだけ前進した。ヘルメットのシールドを上げて、つかの間の風を楽しむ。と、今度は虫だ。ヘルメットの中に飛び込んでくる。蚊だろうか、うわっ、耳もとに入ってきた!!独特の高周波が、ヘルメットの狭い空間に響き渡る。わたしは、あわてて指でほじくる。なんて事だ!


もういやだ。渋滞なんて、まっぴらごめんだ。こんな時は、つくづく車の快適さがうらやましい。バイクが格好いいなんて、大きな勘違いだ。夏は熱いし、冬は寒いと来ている。バイクが楽しいのは、一年のうちのホントのわずかの期間だ。こんな渋滞にハマった日には、バイクなんて最悪だ。


誰に言うわけでもなく、独りでぶつぶつと悪態をつく。あと何台かで、国道である。前が空いたら、思いっきりアクセルを開けよう。よっしゃっ、と思ったその前で、いきなり信号が変わってしまった。ガックリである。


ちぇっ。こんな日もあるさ。

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